事業者は消費税を納めなくてはならない「課税事業者」と消費税の納税を免除されている「免税事業者」が存在しています。
その2つの事業者は主に売上の金額によって判定を行うのですが、その判定方法をしっかり知っていないと本来消費税を納めなくてはならないはずだったのに免税事業者だと勘違いして納めておらず後々追徴課税といったようなことにも繋がりかねません。
今回は、そんな消費税の課税事業者の判定を詳しくわかりやすく解説していきます。
課税事業者と免税事業者の判定方法
基本的な判定方法「基準期間」
基本的に、消費税の課税事業者に該当するのか、免税事業者に該当するのかは前々年(基準期間)の売上高が1,000万円を超えているか超えていないかによって判定されます。
法人と個人の課税事業者の判定
前々年の課税売上高が1,000万円以下であれば原則消費税の納付が必要ない免税事業者となります。
法人であれば
令和3年3月期の消費税の判定をする場合は、令和1年3月期の課税売上高が1,000万円を超えているかいないか。
個人事業であれば
令和3年度の事業の確定申告の消費税の判定をする場合、令和1年度の確定申告時の課税売上高が1,000万円を超えているかいないか。
課税売上高とは
輸出などの免税取引を含め、返品、値引き、割戻しをした対価の返還等の金額を差し引いた額の税抜売上高。
なお、基準期間において免税事業者であった場合には、基準期間における課税売上高を計算するときには税抜きの処理は行いません。
忘れちゃいけない判定方法「特定期間」
消費税の判定には上記の「基準期間」を用いて判定する方法の他に平成25年1月1日以降に開始する事業年度については、基準期間の売上が1,000万円以下であっても前年の事業年度である要件を満たすと「課税事業者」と判定されてしまいます。
個人と法人の特定期間
基準期間は前々年の事業期間でしたが、「特定期間」は前年の事業年度の半分のことを指します。
特定期間
法人の場合
その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。
個人事業の場合
その年の前年の1月1日から6月30日までの期間
たとえ前々年の基準期間の売上高が1,000万円以下であっても前年半年間の売上が1,000万円を超えている場合、消費税の課税事業者に該当する可能性があります。
「特定期間」の判定は売上or給料
特定期間で消費税の課税事業者の判定をする場合、先ほど説明した通り前年半年間の売上高の他に給与の支払い額による判定も認められており。
特定期間の給与の支払い額が、1,000万円を超えている場合、もしくは特定期間の課税売上高が1,000万円を超えている場合のどちらかで「課税事業」の判定をすることとなります。
つまり、特定期間の売上が1,000万円を超えていても給与の支給額が900万円であれば課税事業者には該当しません。
どちらの要件も満たした場合は「課税事業者として」前々年(基準期間)の売上が1,000万円以下でも消費税を納める事となります。
特定期間の判定方法
- 特定期間の売上高が1,000万円以下
- 特定期間の給与支払額が1,000万円以下
- 以上のどちらかに該当していれば免税事業者
課税事業者になったらする届出
課税事業者であると判定された場合、「消費税課税事業者届出書」を税務署へ提出しなくてはなりません。
課税事業者の届出の記入については下記のリンクから。
売上1,000万円超えたら提出「消費税課税事業者届出書」記載例と記入の仕方
課税事業者届出書とは 基準期間の売上高が1,000万円を超え ...
続きを見る