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【最新版】個人事業税とは?計算方法・納付時期・支払い方法をわかりやすく解説

【最新版】個人事業税とは?計算方法・納付時期・支払い方法をわかりやすく解説
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ひとり起業ラボ編集部

「ひとりで始めて、ひとりで悩まない」をテーマに、 開業・副業・フリーランスのリアルを伝えるWebメディア。 自身も個人事業主としての経験をもつ税理士・編集者・クリエイター陣が、 ひとり起業の“あるあるな壁”に寄り添いながら、やさしく解説します。 【得意ジャンル】:開業・会計・確定申告・法人化・業務効率化・コンテンツ運営 【監修協力】:現役税理士・社労士・デザイナー・Webマーケター

「フリーランスになったけど、個人事業税って何?」 「いくら払うの?いつ払うの?」

個人事業主として活動を始めると、さまざまな税金について知る必要があります。今回は、個人事業税について、支払う金額や時期、方法などをわかりやすく解説します。

個人事業税とは?

個人事業税は、個人が営む特定の事業(法定業種)に対してかけられる地方税です。所得税や住民税とは別に、事業所得に応じて都道府県に納める税金になります。

「法定業種って何?」と思われるかもしれませんが、実はほとんどの業種が個人事業税の対象になっています。デザイナー、プログラマー、コンサルタント、飲食店経営など、多くのフリーランスの方が該当します。

💡 ポイント:個人事業税は都道府県に納める地方税で、所得税や住民税とは別物です。

個人事業税はいつ払うの?

個人事業税の納付は、年に2回行います。

納付期限:

  • 第1回目:8月31日
  • 第2回目:11月30日

毎年8月頃に各都道府県税事務所から「納税通知書」が届きます。この通知書をもとに、上記の期限までに納付することになります。

🗓️ 覚えておくと便利:8月と11月の「末日」が納付期限です。

個人事業税の支払い方法は?

個人事業税は、以下のような方法で支払うことができます。

1. 窓口で支払う

届いた納税通知書を持って、都道府県税事務所や金融機関、郵便局の窓口で支払えます。

2. コンビニエンスストアで支払う

納付額が1回あたり30万円以下であれば、コンビニエンスストアでも支払いが可能です。納付書にバーコードが付いている場合は、コンビニ支払いができる証拠です。

3. 口座振替で支払う

事前に「口座振替依頼書」で手続きをしておけば、自動的に引き落としされます。手続きは納付する月の前月10日までに行う必要があります。

4. クレジットカードで支払う

税額が100万円未満であれば、クレジットカードを使った納付も可能です。ただし、税額に応じて決済手数料がかかるので注意しましょう。

5. ペイジー(Pay-easy)で支払う

金融機関やゆうちょ銀行のペイジー対応ATMからも納付できます。納付書に記載されている以下の情報が必要です。

  • 収納機関番号(13001)
  • 納付番号(数字12桁)
  • 確認番号(数字6桁)
  • 納付区分(数字3桁)

個人事業税の計算方法は?

個人事業税の計算式は次のとおりです。

【計算式】

(事業所得 + 所得税の専従者給与額 - 事業税の専従者給与額 + 青色申告特別控除額 - 事業主控除) × 税率 = 個人事業税

ちょっと複雑に感じるかもしれませんが、ポイントをつかめば理解しやすくなります。

【図解】個人事業税の計算方法
1
事業所得を算出
確定申告で計算した事業所得を基にします
2
専従者給与を調整
専従者給与を加算し、事業税上の専従者給与を控除
3
青色申告特別控除を加算
確定申告で適用した青色申告特別控除額を加える
4
事業主控除を差し引く
一律290万円を控除(※所得が290万円以下なら税額はゼロに)
5
税率をかける
業種に応じた税率(多くは5%)をかけて税額を算出

■ 計算のポイント

1. 事業主控除(290万円)がある

個人事業税では、一律で290万円の事業主控除が適用されます。つまり、事業所得が290万円以下なら、個人事業税はかかりません。

2. 専従者給与の扱い

  • 青色申告の場合:専従者給与の全額が控除されます
  • 白色申告の場合:配偶者は86万円まで、その他の家族は1人50万円までという上限があります

3. 青色申告特別控除について

所得税の計算で使う青色申告特別控除(最大65万円)は、個人事業税の計算でも考慮されます。

4. 税率は業種によって異なる

業種によって税率が異なりますが、**ほとんどの業種は5%**です。

区分税率事業の種類
第1種事業
(37業種)
5%物品販売業運送取扱業料理店業遊覧所業
保険業船舶定係場業飲食店業商品取引業
金銭貸付業倉庫業周旋業不動産売買業
物品貸付業駐車場業代理業広告業
不動産貸付業請負業仲立業興信所業
製造業印刷業問屋業案内業
電気供給業出版業両替業冠婚葬祭業
土石採取業写真業公衆浴場業(むし風呂等)
電気通信事業席貸業演劇興行業
運送業旅館業遊技場業
第2種事業
(3業種)
4%畜産業水産業薪炭製造業
第3種事業
(30業種)
5%医業公証人業設計監督者業公衆浴場業(銭湯)
歯科医業弁理士業不動産鑑定業歯科衛生士業
薬剤師業税理士業デザイン業歯科技工士業
獣医業公認会計士業諸芸師匠業測量士業
弁護士業計理士業理容業土地家屋調査士業
司法書士業社会保険労務士業美容業海事代理士業
行政書士業コンサルタント業クリーニング業印刷製版業
3%あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他の医業に類する事業
装蹄師業
【図解】個人事業税の税率
5%
第一種事業(商業、工業、サービス業など大部分の事業
4%
第二種事業(畜産、水産、薪炭製造など)
3%
第三種事業(医業、歯科医業、薬剤師業など)
非課税
農業、林業、漁業、スポーツ、芸術家など

個人事業税の計算例

実際に計算例を見てみましょう。

【計算例】Aさん(飲食店経営・青色申告)の場合

  • 事業所得:600万円
  • 専従者給与:96万円
  • 青色申告特別控除:65万円
  • 事業主控除:290万円
  • 税率:5%(飲食業)
【図解】Aさんの個人事業税計算
事業所得
600万円
専従者給与(加算)
+96万円
専従者給与(控除)
-96万円
青色申告特別控除(加算)
+65万円
事業主控除
-290万円
課税標準額
375万円
税率
5%
個人事業税額
187,500円
(600万円 + 96万円 - 96万円 + 65万円 - 290万円) × 5% = 18.75万円(187,500円)

Aさんの納める個人事業税は、年間187,500円です。この税額を8月と11月の2回に分けて納付することになります。

よくある質問

Q1. 個人事業税がかからない業種はありますか?

はい、法定業種(課税対象業種)に含まれない業種は個人事業税がかかりません。例えば、次のような職業は非課税です。

  • 漫画家やイラストレーターなどの芸術家
  • スポーツ選手
  • 林業従事者
  • 農業従事者

Q2. 個人事業税の計算で基礎控除や社会保険料控除は適用されますか?

いいえ、個人事業税の計算には、所得税で適用される基礎控除や社会保険料控除などの各種控除は適用されません。

Q3. 開業初年度も個人事業税は払うのですか?

開業初年度の個人事業税は、翌年の8月・11月に納付することになります。例えば、2025年に開業した場合、その年の個人事業税は2026年の8月と11月に納めます。

まとめ:個人事業税の重要ポイント

個人事業税の5つの重要ポイント
1
個人事業税は都道府県に納める地方税で、ほとんどの業種が対象
2
納付期限は8月31日と11月30日の年2回
3
支払い方法は窓口、コンビニ、口座振替、クレジットカード、ペイジーなど複数あり
4
事業所得が290万円以下なら個人事業税はかからない
5
税率はほとんどの業種で5%

個人事業主として活動する以上、個人事業税の仕組みを理解しておくことは大切です。事業計画を立てる際には、この税金も考慮に入れておきましょう。

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