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個人事業の経費になる?ならない?7のポイント!

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なにが経費になって何が経費にならないのか、

線引きが難しいこの問題ですが、経費になるのかならないのか、判断するポイントと気を付けたい10の事を紹介します。

経費の基本を知る

当たり前のことですが、基本的に事業のための支出は経費となり、事業には関係のない家庭の支出は経費となりません。

単に友人と食事をした支払いは経費とはなりませんが、もしその友人と仕事の打ち合わせをしていた場合その食事代は経費として計上しても問題ないように

経費に計上しても良いのか、悪いのか、業種ごとにも状況ごとにも変わりその明確なラインというのは存在しないので個別ごとに判断するほかありません。

経費にするのに必要なもの

必要なもの

  1. レシート
  2. 領収書(レシートがあればいらない)
  3. 出金伝票(レシートも領収書も出ない場合に記入)

良く「領収書ください」という言葉を聞きますがレシートを貰える場合は特に領収書は必要ありません。
レシートが発行されず、領収書を貰えないケース(慶弔見舞金や自動販売機の支払いなど)では、出金伝票を記入することで経費とすることが出来ます。

レシートもなく領収書もなく出金伝票に記入もしていない、など、その経費を計上するための何の裏付け資料が無いと調査が入った場合、費用を否認される可能性がありますので

必ず上記の①~③の資料を保管しておきましょう。

経費の基本を押さえたところで本題である「経費に計上できるかできないか10のポイント」をご紹介していきます。

経費にできる?できない?5つのポイント

ポイント1:事業の収入と経費の金額のバランス

同じ内容で同じ金額の経費でも事業の規模や収入金額によって経費とならない(しない方が良い)ケースがあります。

例えば、収入が毎月30万円の事業主が月に10、20万円の交際費を計上している場合と毎月300万の収入がある事業主が月に10、20万円の交際費を計上しているのとでは

圧倒的に前者は税務調査が入った場合に交際費の経費を否認(認められない)される可能性が高くなります。

収入がいくらなら幾らまでの経費を計上しても大丈夫、という明確な基準はありませんが、収入とのバランスを考慮して税務署がみて明らかに不自然な、もしくは個人の娯楽としか思えないような経費の計上は控えるか

税務署につつかれた時に経費としての裏付けが出来るよう、金額の大きい支払いに関しては別途詳細を記したメモなど取っておくと良いでしょう。

ポイント2:業種と経費のバランス

業種によって膨らみやすい経費や計上される経費というのは違ってきます。
例えば、工場を経営しているような場合は、光熱費が膨らみやすいですが、個人でライターをしているような人が同じ割合で光熱費を計上していたら不自然ですよね。

このように業種や事業内容によってバランスの取れた(悪目立ちしない)経費の計上をすることが意外と重要になります。

ポイント3:事業主個人の支払いは基本NG経費

個人事業の場合、事業主個人の為の支払いは基本的に経費にはなりません。
例えば…

・事業主のスーツ代やワイシャツ代等
(事業専用のユニフォームや作業着に関しては経費にできる場合があります)
・事業主への給料
(事業主本人への給料という概念はありません、収入から経費を引いて残った金額が給料です)
・事業主の所得税や住民税など個人の税金
(個人事業税は事業をする為の税金なので経費になりますが所得税は個人の税金なので経費になりません)
・この他にも事業とは関係ない個人的な支出は経費にはなりません。
(飲食代や交通費なども事業と無関係の物は経費にはなりません)

基本的に経費になる基準を考えるときは「事業」と「個人」を切り離して考えると良いでしょう。
個人事業主の場合、事業の支払いも個人の支払いも同じ財布で行っている場合が多いので、できれば財布も分けて支払いの管理をするとより良いです。

ポイント4:個人的な支払いだけど一部事業用でもある場合は按分計算

基本的には個人的な支払いだけど一部事業として使っているといったような経費は按分計算してその一部分のみを経費として計上します。(このことを家事按分といいます)

例えば…

・賃貸の個人宅を一部事務所として使用している場合の家賃
(自宅兼事務所の場合、事務所に使用しているのはどの程度の広さかを計算してその部分のみを経費として計上します)
・賃貸の個人宅を一部事務所として使用している場合の水道光熱費等
・個人の携帯電話料金やインターネット利用料
(個人的なものと事業に使うものが一緒の場合、どの程度事業で使っているかに応じて経費にする割合を決めます)
・個人的にも使う自動車など固定資産の減価償却費
この他にも自動車保険などの保険、車のガソリン代など個人と事業の両方で使っているような経費は家事按分で経費計上します。

この家事按分ですが、自宅兼事務所の経費割合は使用している面積を元に算出するのが一般的です。
他の経費も妥当と思える範囲で按分して経費にします。

家事按分について詳しく知りたい方はココを参考にしてください。

ポイント5:生計一の配偶者や家族への給与の支払いは基本経費にはならない

生計一の配偶者や家族の方に事業の手伝いをしてもらったときに手伝ってもらったからと言って給料を支払っても基本経費にはならないので注意してください。

もし生計一の家族へ給料を支払う場合は、「青色専従者給与の届出」という届出を税務署へ提出するなど一定の手続きをしなければなりません。

青色専従者について詳しく知りたい方はコチラ☞

ポイント6:交通反則金等の罰金は経費にはならない

たとえ仕事をしているときに駐車違反等で切符を切られたとしても経費にはなりません。
駐車違反のみならずあらゆる反則金や罰金の類は基本経費とはなりませんので注意しましょう。

ポイント7:一点で10万円以上の物を購入したら一度に経費にはならない

1点で10万円を超えるものは基本的には、一括で経費とはならずに「固定資産」として「減価償却」という方法を用いて徐々に費用として計上されることとなります。

30万円以下であれば「特例」を使用して一括経費にすることも出来ますが、基本は10万円以上は「減価償却で徐々に経費」と覚えておきましょう。

30万円未満の特例について詳しく知りたい方はコチ

まとめ

7つのポイントまとめ

  1. 事業収入と経費のバランスをとる
  2. 業種、事業内容に応じた不自然の無い経費計上
  3. 事業主個人への支払いは基本NG
  4. 一部事業用の支払いは按分計算
  5. 生計一の親族への給料は一定の手続きをする
  6. 交通反則金などの罰則・罰金はNG
  7. 10万円以上のものは徐々に経費

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