【通信費】仕訳の概要と例
事業用の携帯電話などの通話料、インターネット利用料、切手代などの支払いに用いられる勘定科目です。
通信費となる主な経費
- 固定電話代、携帯電話代
- 切手代、ハガキ代、郵便代
- インターネット代
知っておきたい切手代の会計処理
期末(年度末)に残っている切手の会計処理は？
原則的な方法によると、期末に残っている切手を貯蔵品として資産計上しなくてはなりません。
ですが以下の要件を満たすことで期末の振替処理を行わず購入時に費用処理することが認められています。
切手代を購入時に費用処理する為のポイント
- 期末に残っている切手の残高が通常使用の範囲内であること
- 毎期継続して同じ処理を行うこと
中小企業や個人事業主では、購入時に全額費用として貯蔵品への振替処理を行わない簡易的な方法を採用している場合が多いです。
切手代の消費税の処理は？
郵便切手の消費税の取り扱いは、原則購入時には非課税で切手を使用した時に課税となります。
しかし、実務上、購入時に費用計上する処理が一般的な切手代を使用時に課税仕入れとして処理するには経理処理の負担が重くなる為、自ら使用するものについては継続適用を条件として購入時に課税取引として処理することができます。
通信費と似てる荷造運賃との違い
何かを送るときの勘定科目として今回の「通信費」の他に「荷造運賃」という勘定科目が良く使われます。
荷造運賃……商品や製品を取引先、お客さんへ送るときの発送料や梱包材の費用
通信費……請求書等の書類や製品カタログなどの商品以外を取引先へ送るときの発送料
参考程度ではありますが、上記のように、自社の商品を得意先に送るための発送に係る費用は「荷造運賃」、それ以外の書類等を送るときは通信費と区分して処理するようにしましょう。
必ずどちらで処理しなければいけないと決められているわけではありませんので、自社でルールを定めて継続してその勘定科目を使っていくことが一番大事なこととなります。
仕訳の具体例
例題
６月３日に８０円切手を５０枚現金で購入した。
月末に切手の棚卸をしたところ８０円切手が１０枚未使用で残っていた。
６月決算の当社では期末の切手在庫を貯蔵品に振り替える処理を行っている
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
| 6/3 | 通信費 | 4,000 | 現金 | 4,000 | 切手代 80円切手×50枚 |
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
| 6/30 | 貯蔵品 | 800 | 通信費 | 800 | 切手 棚卸分 80円×10枚 |
例題②
５月２０日に携帯電話の利用代金8,000円が普通預金口座より引き落とされた。
なお、代金のうち60％は個人利用分、40％は事業利用分である
| 日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
| 5/20 | 通信費 | 3,200 | 普通預金 | 8,000 | 携帯電話代金 |
| 事業主貸 | 4,800 | 携帯電話代金 自家使用分40％ |
個人事業主で、個人の携帯電話で仕事のやり取りをしている方も多くいるかと思います。
その場合は、事業利用分と個人利用分割合を合理的に見積もり事業利用分のみ経費として計上しましょう。
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