個人事業やフリーランスをしている人にはおなじみの「青色申告65万円控除」ですが、税制改正によって「55万円控除」に減額されたのをご存じでしょうか。
肩を落とした方は安心してください、一定の要件を満たせば従来通りの「65万円控除」の適用を受けることが出来ますので今回はその要件を確認していきましょう。
青色申告特別控除はどのように変わった?
従来では一定の要件を満たして青色申告を選択し確定申告を行えば、「青色申告特別控除」として65万円の所得控除を受けることができました。
しかし税制改正によって55万円控除(一定の要件を満たす場合65万円控除)という形に改正が行われました。
65万円控除の一定の要件とは?
この65万円の控除を受けるための要件は、次のようになっています。
(1) 上記「55万円の青色申告特別控除」の要件に該当していること。
(2)次のいずれかに該当していること。
イ その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存(下記<参考>参照)を行っていること(※)。
ロ その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書等の提出を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して行うこと。
国税庁ホームページ №.2072青色申告特別控除
65万円の控除を受けるには上記の2つの要件の内、いずれかに該当していなければならないとされています。
なんだか良く分からないことが書いてあると思われているかと思いますが、その要件とはどのようなものなのかもう少し詳しく見ていきましょう。
要件① 電子帳簿保存を行っていること。
この電子帳簿保存というのは、とっても簡単に説明すると「一定の帳簿類(総勘定元帳や仕訳帳など)を電子データで保存しておいてくださいね」というものです。
詳しく説明を始めるとこの電子帳簿保存なかなかややこしく、説明が長くなるので今回は割愛させていただきます。
要件② e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用すること。
これは確定申告書等の確定申告時に提出する書類を書面で税務署に提出をするのではなく、電子データで提出をしてくださいというものです。
今まで手書きもしくは紙に印刷して税務署へ直接提出していた人にとっては、事前の準備が必要となりますので少し手が掛かりますが、要件①を満たすよりかはコチラの要件を満たす方が簡単かと思います。
また、税理士に確定申告をお願いしている方は、恐らく電子申告で送信を行っているかと思われますので気にする必要は無いでしょう。
電子申告をする方法の解説はコチラ>>
確定申告は税理士にお願いする
今まで書面で作成し税務署へ提出していたという方はこれを機に確定申告は税理士へお願いしてしまうというのも一つの手かと思います。
税理士であればe-Taxによる電子申告はほとんどの方が行っていますので、必然的に65万円控除の適用を受けることが可能になります。
帳簿類のチェックもプロの目線で見てもらう方が安心できますし、なにより思いもつかない節税方法を提案して貰える等間違いなくメリットの方が多いです。
税理士の知り合いも伝手も無いという方は、税理士を紹介してくれる仲介サービスを利用してみるのも良いかと思います。
税理士ドットコムではあなたの希望に沿って全国の税理士を紹介してくれますので、確定申告でお悩みの方はぜひ相談だけでもしてみてはいかがでしょうか。(紹介してもらうのに料金はかかりません)
この記事のまとめ
今回、青色申告65万円控除が税制改正によって55万円控除(一定の要件を満たせば65万円)に改正された点に触れましたが、いかがでしたでしょうか。
基本的には控除額の減額となっておりますが、電申告を行う、電子帳簿として保存しておくなど一定の要件を満たすことで今まで通りの65万円控除を受けることが出来ます。
今まで紙面で申告していた方は、手間が増えて大変かと思いますが、すこし手間を掛ければ10万円の経費を作ることが出来ると考えてしっかり65万円控除の適用を受けれるようにしましょう。
ポイント
- 65万円控除が55万円控除に減額される
- 引き続き65万円控除を受けるには要件を満たす必要がある
- 要件②のe-Taxより電子申告をする方がおすすめ
- 自分で申告していた人は税理士にお願いすることも考える