【広告宣伝費】仕訳の概要と例
商品の販売促進や求人広告の掲載料、ホームページの作成費用などに用いられる勘定科目です。
旅費交通費となる主な経費
- 商品、サービスのカタログ作成、チラシの作成
- 看板作成、ポスティング費用、ホームページ作成
- 新聞、雑誌、インターネット等への求人広告等の掲載料
商品サンプルを得意先に無償提供した時の会計処理
自社の商品を得意先に無償でサンプル品として無償提供した時には仕入勘定から広告宣伝費に振替仕訳を行います。(仕訳例は後述)
広告宣伝費への振替の他に、見本品費に振替をしてその他の広告宣伝費とは区別して計上する方法もあります。
【法人は注意】広告宣伝費と接待交際費
他人へ経済的利益を提供する科目で交際費という勘定科目がありますが、法人の場合、交際費には様々な制約が掛けられています。
広告宣伝費として計上していた経費を税務調査で交際費として認定されると追徴課税が発生する可能性も考えられますのでその取り扱いには注意を払いましょう。
広告費と接待費の区分
広告宣伝費は、不特定多数の者へ行う広告や宣伝のことを指します。
接待交際費は、特定の者へ(取引先や仕入れ先など)行う物品や金銭等の利益の提供のことを指します。
取引先等の特定の者への提供でも、社名等の入ったカレンダー、手帳、手ぬぐいなどの宣伝を目的として作成した費用は広告宣伝費への計上することができます。
広告宣伝費になる費用
- 製造業者や卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用又は一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用
- 製造業者や卸売業者が、金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用
- 製造業者や販売業者が、一定の商品を購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品を購入した一般消費者を招待するための費用
- 小売業者が商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用
- 一般の工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用
- 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用
- 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や取扱商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用
- 次のような場合、「一般消費者」を対象としていることには当たらないので注意してください。
[1] 医薬品の製造業者や販売業者が医師や病院を対象とする場合
[2] 化粧品の製造業者や販売業者が美容業者や理容業者を対象とする場合
[3] 建築材料の製造業者や販売業者が、大工、左官などの建築業者を対象とする場合
[4] 飼料、肥料などの農業用資材の製造業者や販売業者が農家を対象とする場合
[5] 機械又は工具の製造業者や販売業者が鉄工業者を対象とする場合
個人事業主の場合、法人とは違い交際費に特段の制約はありませんのでそこまで神経質になって区分する必要はありません。
仕訳の具体例
例題
10月30日に販売促進用のチラシ5万枚を500,000円で作成し現金で支払った。
当社の決算月は12月で期末までに2万枚のチラシを配布し終え、3万枚は翌期以降に配布する予定となっている。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
10/30 | 貯蔵品 | 500,000 | 現金 | 500,000 | ○○印刷㈱ 販売促進チラシ5万枚 |
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
12/31 | 広告宣伝費 | 200,000 | 貯蔵品 | 200,000 | 販売用促進チラシ 2万枚配布分 |
チラシ等を一度に大量に作成する場合、一度に経費計上するのではなく、一旦資産計上して今期に使用した分だけ経費に振り替える処理をします。
例題②
12月21日にインターネット上への求人広告1年分である240,000円を現金で前払いした。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
12/21 | 広告宣伝費 | 240,000 | 現金 | 240,000 | ○○求人㈱ 求人広告掲載料 1年分 |
本来は、翌年の経費を前払いした場合、今年に対応する分だけを経費として計上するのが原則ですが、「短期前払費用の特例」という税務上の制度で継続的に役務の提供を受けるもので1年以内の前払費用であれば支出時に全額経費計上しても良いとされています。
短期前払費用の特例について詳しくはコチラ
例題③
12月10日に得意先A社へ、新商品15,000円分を見本サンプルとして無償提供した。
日付 | 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 | 摘要 |
12/10 | 宣伝広告費(見本品費) | 15,000 | 仕入 | 15,000 | 得意先A社へ 新商品○○のサンプル提供 |
通常の販売促進費用や求人広告費用と区分するために、サンプル品の提供は見本品費という勘定科目を用いる場合もあります。
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